山門は継鹿尾(つがお)山麓の西側に位置し、庫裏(くり)の正門である。棟札により、天保7年(1836)に尾張藩御大工の竹中泉正敏により建築されたことが分かる。薬医門の傑作である。
1間一戸薬医門(やくいもん)で左右に袖塀(そでへい)、潜戸一戸付、二軒繁垂木、切妻屋根、桟瓦葺である。
男梁(おばり)を本柱上の冠木(かぶき)から控柱まで架け渡し、両端に出三斗組(でみつどぐみ)、中央に平三斗組(ひらつどぐみ)を配して、
虹梁(こうりょう)を支持し、大瓶束大斗実肘木(たいへいづかだいとさねひじき)で化粧棟木(けしょうむなぎ)を支え、
牡丹の笈形(おいがた)を付ける。
扉は八双金物(はっそうかなもの)、乳金物(ちちかなもの)、菱形鋲(ひしがたびょう)を打ち、
冠木上中央に群猿の彫刻を置き、女梁(めばり)、男梁(おばり)は絵様木鼻付き、背面側虹梁上には龍の彫刻を配する。
屋根は現在桟瓦を載せているが、当初は本瓦葺きであった。平成17年(2005年)に国登録有形文化財に登録されている。